「パワーを使いこなすということ」

パワーメーターをただパワーを量るためだけに使うのであれば難しいことは考えなくていいのです。
しかしその存在意義は自転車を速く走らせられるようになるためのもののはず。
これまで何度も書いてきたとおり自転車を速く走らせるためには、抵抗に対して出力が大きくしなければなりません。
パワーメーターをお持ちの方はぜひ次のことを試してみてください。
パワーか心拍数、どちらかを一定になるように調整しながら適当な単位時間両方を計測し、1.パワー÷心拍数をそれぞれの平均値について行ってください。
それがあなたのその条件での能力です。以後これを比パワーと呼ばせていただきます。
次に
2.比パワー÷体重
3.比パワー÷前傾角度
2が大きくなれば登りに強くなっているはずですし、3が大きくなれば平地や下りが速くなっているはず。

これらはパワーだけでなく抵抗の低減によって向上します。

他には実際にレースを想定して時間の条件を変えてみたり、反復回数をかえてみたり、してください。
さらに自転車レースは(タイムトライアルやヒルクライム以外)パワーと抵抗だけでレースが決まるわけではありません。
同じパワーでもケイデンスが高いほうがコーナーの立ち上がりが良かったり、アタックに切れがあったり、反復可能な回数が多かったりします。

パワーは自転車競技に必要な一つの指標です。これをうまく使いこなせれば非常に効率的な向上が望めるでしょう。
しかし無視してはならないのは結局、高い集中力や根性があってこそだということ。
パワーを参考に最高に苦しく辛い練習をこなし結果を得た、東大チームのように。