「やっぱり空気の渦」

そりゃ全部空気抵抗低減のためなんですが、その内訳がわかってないことには的外れなことをしかねません。
やはり重要なのは見えないので難しいんですが「空気の渦」の概念をもっともらうことなんです。この渦を作らないこと、できた渦をできるだけすぐにまっすぐにしてやることが最重要なんです。そのためにはまずどこにどのようにして天敵の渦ができるのかを知っていなくてはなりません。
では、昨日の最後の質問、最も空気の渦が大きくなるのは? の答えはペダリングしている脚の後ろです。ペダリングすることで脚が空気をかき回しているのです。
ここを意識するだけで8割がたTTのフォームが理解できるのではないでしょうか。
まずペダリングしている脚の場所は換えようがありませんしペダルを止めるわけにも行きません。そこでできるだけ他から脚に空気が流れないようにします。もっとイメージしやすく私は「お腹に空気を入れないように」と常に言っています。
浅い前傾ですと体正面に当たった空気はお腹に流れ、脚で乱されます。そこで前傾して頭を下げ空気をできるだけ背中に流してやります。
次にハンドルを幅広く握るとそれもお腹に空気が流れ脚に行きます。そこでDHバーを握り腕を中心に持っていき、空気を横に流してやるのです。
さらにその脚のすぐ後方にあるのが後輪です。ここにディスクホイールを使うことは一般に言われているスポークの抵抗や前面投影面積とは違う効果があると思っています。それはまず板状のものが流体中を流れるとそこに吸い付こうとします。脚で乱れた流れはこの効果によって整流されるのだと思います。
脚の乱流を直接抑える方法は少ないですがシューズの凹凸を少なくして少しでも乱流の発生を抑えることを目的としたのが、シューズカバーです。効果は定かではありませんが一番かき乱しているところですから結構あるかもしれませんね。