「悩むより慣れろ」

空気抵抗を低減するためのフォーム。まず取り組まなければならないのはきつい前傾フォームをとれるようになることです。次にそのきつい前傾状態でよりスムーズなペダリングができるようになるための練習も必要。
前傾をとるために体に課せられるのは、首から背中腰にかけての負担です。上体はもちろんハンドルを握る手でも支えますがやはり背中から腰にかけての筋肉の負担は増える上、そこで体をしっかり支えることで力強いペダリングも可能となります。前傾がきつくても頭はちゃんと前を向かなくてはなりませんから首への負担も増えることになるでしょう。すると軽量のヘルメットの恩恵をより多く受けることになります。(シルベストではOGKモストロを使ってますよ。)
次にきつい前傾フォームでありながらスムーズなペダリングをするには上死点の通過をロスなく行えなくてはならないことは一昨日書いたとおり。つまり脚を引き上げる動作。すると大腿の付け根の前側の筋肉、そしてそれを支える腹筋群が重要です。
これらから一番大切なのは体幹の筋肉群ということになります。
ではそれらをどのようにして鍛えるか。それが問題となります。私としては人間の大きな能力の一つ、「慣れる」のが一番。そこで提唱するのがDHバーの常用です。もちろん安全に走れるところ限定ですが、ある意味強制的にフォームが決められてしまううえ、それでいて結構楽。DHバーで鬼引きしてつき切れさせたときの快感といったらもう…。わたしもオフシーズンにはDHバーがついてます。今年から実業団にチームTTができたことですしお一ついかが?
ポジションで若干ながら改善できるところもあります。腰に対して脚が上がり過ぎなければイイのですからサドル高さは高いほうがイイでしょう。さらにサドルを上げかつ膝の高さを下げるにはクランク長の短縮も効果があります。私はクリートをシューズの最先端部分につけることでさらにサドル高を上げています。前のりのポジションにすることも高い効果がありますしTTなどでは限界まで前乗りしたりしますが、ロードレースの場合は落車のリスクが著しく増えるのでお勧めはしません。アンクリングも使い方によってはメリットがあります。あえて上死点でかかとを下げてペダリングすることもあります。

こんな努力しなくちゃならないなら、クライマーのほうがいいって? いやいやこれらの方法はかなり即効性があると思います。まず出力向上よりも抵抗低減に努力したほうが短時間で速くなれると思いますよ。
私にとっちゃおいしい揚げ物や甘味が食べられないよりはよっぽどましですしね。