「強前傾状態でのペダリング」

では「パワーエアレジスタンスレシオ」に優れた選手と相でない選手は何が違うのでしょうか?
その大部分はフォームとペダリングです。
空気抵抗に優れたフォームについて詳しくは研究所の「自転車の流体力学」もしくはバイシクルクラブ4月号を参照ください。
簡単に書きますと空気抵抗を減らすには前傾がきついフォームが必要です。しかしそれだけでは「パワーエアレジスタンスレシオ」に優れているとはいえません。大事なのは「上体が地面と平行となるようなフォームでいかにロスなく出力の高いペダリングができているか」なのです。
突然ですが、ここで体のチェックをしてみましょう。まず直立してください。そこから膝を腰の高さまで上げてください。まぁ余裕でしょう。では次に壁などに手を着いて上体を45度傾けて同じく膝を腰の高さまで。どうですか?かなり苦しいでしょ?では最後に上体を水平近くまで傾けて膝を胸につけてください。これができればあなたはアワーレコードに挑戦すべき?
実はきつい前傾姿勢で走っているときの上死点ではこんな苦しい運動を強いられているのです。え?ここまで苦しくないですって?じゃぁあなたは大きなパワーロスをしていますね。そう踏み脚の力で無理やり上死点を越えさせている。これはかわいそうな話。ペダリングの力は推進力ではなく自分のペダリングに使われているのですから。
これでは「パワーエアレジ…」に優れているとはいえませんね。