「第三回『勝ちたきゃ登るな』後編」

土:もうひとつあるんですけど。『登りも強くなりたい』って思ってませんか?
O:思ってます!
土:勝ちたければ『のぼり』のことは考えないほうがイイですよ。まして登りのための練習なんてしないほうがイイです。
O:え!そうなんですか!
土:それなりに強いけど『勝てない』選手って大概そうなんですけど、平坦も強くなりたい、登りも登りたい、スプリントもしたい、といろんなところに手を出して結局全部中途半端になってしまってる場合がほとんどです。
O:でも、例えばこの前の飯田はギリギリ完走で自分の真後ろがタイムアップになってたぐらい危なかったんですけど。
土:そのレース見てましたよ。
O:あっ!、ありがとうございます。優勝おめでとうございます。
土:ありがとうございます。
O、土:(笑)
O:で飯田なんですけど何とか最後尾で脚きりを免れ、最後3人のパックになって何とかスプリントでその頭は取れたんです。
土:それでイイと思いますよ。苦手なコースなら最初から勝てる可能性は低いですからある程度開き直って得意なコースを確実に狙っていくほうが結果はイイと思います。
土:それに、ちょっと僕はスプリンターじゃないんでよくわかんないんですけどスプリンターの人たちって疲れててもスプリントできちゃうって言うじゃないですか。何でかぜんぜんわかんないんですけど。そんなきしません?
O:するかも。
土:もし何とか集団の最後尾にくらいついて登りきることができれば絶対にクライマーには負けない。
O:たしかに。
土:だからのぼりの練習をする時間があるなら平坦やスプリントの練習をすべきだし、そういう練習の中でついたのぼりの力だけで十分ですよ。
土:僕は自分でクライマー、長い距離の逃げ、の選手だと思ってるんでその練習しかしません。スプリントの練習なんて絶対にしませんもん。
O:来年はたぶんBR2 でしょうから最初の舞洲で勝ってすぐにBR1へ上がるのが目標なんです。なんか勝てそうな気がしてきました。