「第三回『勝ちたきゃ登るな』前編」

土:そういえばBR3で11位ということはレースで何度か勝ったこととかもありますよね。
O:恥ずかしながら今までロードレースで一度も勝った事ないんですよ。
土:原因ってわかりますか?
O:だいたいわかっているつもりなんですけど。僕は平坦のゴールスプリントになるような展開が一応得意で、熊野1ステで4位、舞洲で5位、スピードウェイで5位でした。
土:それじゃぁ、あなたはスプリンターなんですね。
O:はい。そのつもりです。でもいつも最後で届かなかったり先行していても最後で差されてしまうんですよ。
土:それは多分最後に疲れてしまっているんだと思いますよ。
O:脚はかなり残しているつもりなんですが。
土:それとは少し違って、結局最後にスピードが伸びないのはスプリントの中で疲れてしまっているんです。瞬発力は無酸素運動といいますけど、自転車だとゴールスプリントでもそれなりの時間もがくわけですから、有酸素運動の力がかなり必要になるんです。そのために脚に血液とかもしっかり送らなきゃいけないですから心肺機能とかも大事になってくるんですよ。
O:たしかに練習でも長い距離もちません。
土:僕らのレースもそうですし、世界選見ました?
O:はい。
土:プロのレースってどれだけきついコースや長い距離、例えば今年の世界選でも250キロ以上走るじゃないですか。それでも必ず最後の周回が一番速い。
O:たしかにそうでした。
土:ゴールスプリントも同じで少し前から位置取りとかが始まって徐々にペースが上がってってゴールラインを切る瞬間がトップスピードにならなきゃならない。
土:たぶんあなたは最後の最後で失速しているか加速のペースがおちてしまっている。だから勝てなんじゃないかと思いますよ。
O:では、具体的にどうすればいいんでしょう。
土:スプリントの練習とかはしてますか?
O:いつも5人前後スタートとゴールを決めてだいたい500メートルくらいで8〜10本くらいやってます。
土:それは続けていくべきですね。もう少し距離を長くしてもイイかもしれませんね。ゴールスプリントって本格的に勝負が始まるのってだいたい1キロ前ぐらいじゃないですか。
O:じゃぁゴールスプリントの流れではじめからレースをイメージするんですか。

後編に続く