「クランクを加速させるのはロスではないのか」

万物は必ず慣性が働きます。もちろん自転車にもです。この慣性があるからこそ自転車は楽に高速に走り続けることができるのです。
そしてこの慣性はクランクにも働きます。クランクだけではありません。ペダルやシューズやチェーンリングにチェーンだって働いています。そもそも慣性とは止まっているものは止まり続けたがり、動いているものは動き続けたがるという性質のことを言います。
そこでです。まず真円のギヤを装着したクランクを考えます。この場合巡航しているときは回転速度は一定です。皆さんちょっと想像してみてください。チェーンリングにギヤをかけていない状態で手でクランクを回してみてください。するとかるーく回りだしまわり続けようとします。力が要るのは最初に加速するときだけでしたね。
では楕円ギヤの場合どうでしょう。チェーンをかけなければ同じなのは当然です。しかしこの条件で一回転の中にスピードの変化をつけて回してみてください。これはかなり大変ですよね。さらににペダルにシューズをぶら下げてみたらもっと大変なのは当然です。もう腕が疲れます。
私が言いたいことがわかってもらえたでしょうか?
このような現象がペダリング中に起こっているのです。理論的には加速には力を加え、減速するときの力はホイールに伝わっているはずでロスはないはずでもあるんですが実際はそんな理想的なペダリングはできませんからこの慣性によるエネルギー損失は無視できない、というのが私の考えです。