「舞州戦略 上(なぜ逃げが決まらないのか)」

まず舞州のコースの特徴から。コースはほぼ長方形で一周900メートルで全く起伏のないパイロンで囲んだコースです。一見なんの面白みもないコースなのですが1、2コーナーが狭く3、4コーナーが広い、なにより突然正反対に変わる海風が特徴です。今回は予選と決勝で全く正反対の風向きとなりました。決勝ではホーム側が追い風バック側が向かい風でした。
ではまず選手それぞれの考えです。前回大会でかなり長距離の逃げが決まったことは前にも書きました。そのことは今回参加している選手のほとんどが知っていたでしょう。するとスプリントのない選手は逃げたいと思います。逆にスプリントのある選手は逃がしてはいけないと思います。そこで誰かがアタックしたとします。もちろん逃げたい選手は追いかけます。逃がしたくない選手も追いかけます。すると結果的に集団ごと追いかけてしまうことになります。こうしてたくさんアタックがかかったとしてもなかなか決まりません。
コース的な特徴も手伝っています。それはコーナーの形と風向きです。前回大会では確かバック側が追い風でした。1、2コーナーが狭いことからここで集団は減速します。すると立ち上がりでアタックするチャンスになります。さらにコーナー直後のストレートは追い風ですから逃げた選手に有利です。狭いコーナーからでは集団も追いにくいのです。しかし今回は風向きが逆でした。ですからしっかり後続を放すことなく捕まってしまったのです。