「体力の向上とは」

一番わかりやすいですし自転車選手の最も取り組まなければならない部分ですね。
一口に体力の向上といいましてもいろいろあるのですが、まず頭に入れておいてほしいのは体はなぜ能力を向上させようとするのか。本来意思とは関係なく体にしてみれば別に「レースに勝ちたい」とか「速くなりたい」とか思ってるわけではないのです。体が強くなる理由は例えば「練習してしんどかったから今度走るときは楽に走れるようちょっと強くしとこう」というのが体の本音なんです。
遠まわしな表現をしましたが結局何がいいたいかというと体が強くなるのは練習中ではなく練習で散々脳みそに痛めつけられてそこから回復するときに向上するのだということです。
今書いたのは言ってみれば超回復の原理みたいなものを遠回しに言っただけでした。
ここから個別に見ていきます。まず一番基本的でわかり安いのが筋力の向上です。これは一番回復が大事です。つまり練習してやりっぱなしでは意味ないというか、実のところ練習とは体を痛めつける行為なわけですから回復させなければ逆に弱ってしまいます。そのためにはストレッチしたりマッサージしたりアミノ酸飲んだりプロテイン飲んだりするわけです。筋肉の回復には材料が必要ですからサプリメントを使わなくても練習終わってすぐ昼飯にするとかしないといけないわけです。
もうひとつは循環器系です。つまり筋肉がより大きな力を出せるように強化すると言う事はそれだけたくさんのエネルギーを使うようになるということ。つまりエネルギー供給側の強化が必要なわけです。例えば高い心拍数を維持できるようになるとか心臓の血液の排出量が増えるとか毛細血管が筋肉の隅々まで行き届くとか…。また先に書いた筋力の向上は供給側の強化がしっかりできてないと効率は悪いです。でかいエンジン積んでても燃料のホースが細かったら出力は弱いままですから。循環器系については特別材料はいりません。実はもともと心臓や肺や血管というのはそれなりのポテンシャルを持っています。しかし本来体は生きていくことを最優先すれば省エネのほうがいいので体をあまり使わなければ勝手にリミッターが効いています。練習で負荷をかけてやることで徐々にリミッターを開放してやればいいわけです。
最後に体力向上のための練習で気をつけてほしいのがオーバーワーク。スポコン漫画の主人公が第一話でライバルにコテンパンにやられてそこから這い上がることで最終話にライバル打ち負かすものですが、第一話でライバルに再起不能な重傷を負わせられれば這い上がることなどできません。
全く持ってたとえが意味不明ですが体を痛めつけすぎると回復することすらできなくなってしまいます。
練習は生きぬよう死なぬようがちょうどよいのかもしれません。???