「でも前傾すると苦しい」

なぜ最近はアップライトがいいといわれるのか。ランスアームストロングの影響もあるでしょう。ほかにはレース思考でない人が増えたことも要因のひとつです。お年を召されてから始められる人も増えてるのかな?
つまり速さを求めない人は別に昨日書いたとうり時速40キロで走る必要はありませんからストレスをできるだけ減らしたほうがいいでしょう。
また先にあげたランスについては能力的には他のツールの選手とくらべても特殊ですし、平坦で逃げるような走りはしません。TTのとき意外は特別前傾させるより3週間集団ゴールで疲れない走りをすべきなのです。それにランスは意外と普通に前傾させてますよ。そう考えるとステージレースのほとんどない、しかも距離も200キロを越えるのは沖縄だけの日本ですからあまりランスは参考にはならないでしょう。
しかしそれでも日本人の多くがアップライトにならざるおえない理由もあります。それは身長であり手足の長さです。欧米に比べ平均身長は小さいですし、身長が大きく運動ができる人は若いころから他のスポーツをしていることのほうが多いでしょう。自転車は小柄で筋肉量が少なくてもそれが長所になるほかにはあまりないスポーツです。
身長が低いまたは脚が短いと何が問題なのでしょう。詳しくはシルベストの「やっぱ速くなりたい」に掲載されていますが、脚と上体のなす角度がどうしても狭くなってしまうのです。すると特に上死点付近では太ももの付け根、先週書いたDの腸腰筋が十分に使えず足が上がらなくなりケイデンスが落ちてしまう。また脚と腹が近くなることで腹部が圧迫され呼吸もしにくくなってしまうなどの問題があります。

これを解決する手段の一つとしてハンドルを近く高くして上体を起こす「アップライトなフォーム」が提唱されているのです。
しかし昨日を読んだ方ならやっぱりステムを下げたくなっているのではないでしょうか。
ご安心ください。対策はあります。それが座位置の前後、骨盤の話です。