「振動減衰特性」

「振動減衰特性」わざわざ難しい表現することもなかったんですが、つい研究者心で…
いわゆる「ショック吸収性」とか「振動吸収性」とか「衝撃吸収性」などのことです。
ロードバイクはマウンテンバイクと違いサスペンションはありませんし(ソフトテールのぞく)タイヤも細くカチンコチンに空気を入れます。さまざまなところの剛性(広い意味で)を上げ変形量を抑えロスを少なくしようとしています。そこで問題になるのが衝撃や振動です。例え1センチでも段差があると腕やお尻にガツンと来ます。荒いアスファルトの上を走るのはいい気分ではありません。(ちなみに縦剛性とは地面に対して垂直の力に対する剛性でこれが高いとそれだけ振動や衝撃がダイレクトに伝わる)

そこでメーカー各社はなんとか乗り心地をよくしようと試行錯誤しています。

それでは材料と形状を挙げてみましょう。
まず材料は カーボン(振動吸収重視) クロモリ チタン(純または3/2.5) マグネシウム スカンジウム添加アルミ(スカンジウムと呼ばれているのはあくまでアルミの合金ですからね)
逆はほとんどのアルミです。
形状は特にシートステーが重要で湾曲しているのは大概振動吸収性を狙ったもの。キャノンデールの砂時計方と呼ばれているものは有名。チューブは細いほうがいいでしょう。細い新聞紙のほうがよくしなりますよね。またカーボンとのハイブリットのフレームは振動吸収を狙ったものが多い。ただカーボンバックは私の私見としては素材の特徴を殺してしまっているように思うものが多い。レモンやターマックなどはかなり評価できる。

ここで注目すべきは材料の中に昨日剛性が低いと書いたものが3つとも出てきていること。
剛性が高いと書いたアルミは振動吸収性はわるいこと。また形状も剛性はまっすぐ、振動吸収は湾曲。とそれぞれ反対を示すものが多くなっています。メーカーはいかにして両立するかを常に考えています。

ただ振動吸収性がよすぎるとわるい面も少しはあります。路面状況がわかりにくくなるのです。のんびり走っているときはあまり関係ありませんがレースなどでは路面のグリップなどがわからないと下りのコーナーなど危険です。ライダーは路面の振動を感じてグリップするのかどうかを判断しなければなりません。

それでは参考人?3人はどのように考えたのでしょう。
         私   A   B
1・剛性     1   4   2
2・振動減衰特性 4   1   3
3・重量     3   3   1
4・耐久性    2   2   4
私は昨日も書いたとおり疲れなどは考慮しませんから振動減衰特性はほとんどなくてかまいません。路面情報もある程度多いほうがいいでしょう。よって優先順位「4」
材料はアルミ、形状は太いほうがいいようです。

Aさんは長距離を楽に、がテーマですからこれは最優先すべきです。気持ちのいい走行間を求めるべきでしょう。「1」細身のクロモリかチタンがいいでしょう。

Bさんはまず極地専用のバイクですからそれほど考えなくてもいいでしょう。ただ舗装がよくない登りも多いのである程度は吸収してくれたほうがよさそうです。スカンジウムはなかなか。他のアルミも形状を工夫すればよいのが見つかるはずです。

明日は熱狂的マニアのいる「重量」についてです。