「運」

7連覇したランスとそれまで5勝した人たちの最大の違いは「運」である。ミゲルインデュラインはツールを5連勝し翌年96年も6連覇は硬いと思われていました。しかしそれはかないませんでした。当時のテレコムのビヒャエルリース(現CSC監督)とヤンウルリヒによって阻まれてしまったのです。インデュラインとリースの調子の悪いときといいときがちょうど重なってしまった。インデュラインは「運」が悪かったのです。その年のアトランタオリンピックではTTでインデュラインは圧勝していますから実力が衰えていたわけではありません。

最近「運」が悪かった人を挙げてみましょう。

ヤンウルリヒは優勝した97年以降は毎年運に見放されていました。よく知っている中ではそれまではピーキングを失敗し太りすぎと言われたウルリヒが最高にダイエットして挑んだ04年、しかしレース中風邪を引いてあえなく撃沈表。彰台すら逃してしまいました。また05年はも直前の練習中自らのチームカーに追突して怪我をしてしまいます。

ベロキはこれから油の乗ってくると言うときに落車して大怪我をおい、復帰した現在も昔とはほど遠い走りしかできません。

05年のジロ。もし胃腸炎を起こしていなかったら優勝したのはバッソだったでしょう。

もしランスと違う時期に生まれていたら、もしドーピングしていなかったら、私はヴィランクも総合優勝できたかもしれないと思います。

力があっても勝ちたいレースに勝つこと。そしてさらに連覇することがどれだけ難しいかがわかります。

しかしランスはツールに勝ち続けた7年間。一度も大きな落車や病気や怪我などは起こしませんでした。またピーキングも毎年完璧でした。これはものすごい強運です。

もちろん本当の意味での「運」もあります。しかしランスは徹底したリスク回避を行いました。それは昨日書いたシャンパンについてもそうですしケーキについてもそうです。そんなことまで、というものまで・・・

上に書いた運の悪かった人たちの失敗はほとんどが防げたかもしれないことです。
スポーツに「たられば」はないのですがあえてかきます。

ランスが他の選手と違うことは癌によって生死の境をさまよったことです。
占いなんかを信じてる人は「ランスは癌になったことで悪い運を使い果たしたんだ」という人がいます。

私もそう思います。でも大概のそういう人とは考えが違います。
ランスは癌によって生存率30%の最悪の「運」と生きることができた最高の「運」を知ることができました。そのことで「運」の怖さと力を知る。極限まで運が悪くなる可能性を減らし例え運の悪いことが起こっても対処する準備をすることで被害を最小限にすることができる。そしてあきらめなければきっと・・・

昨日ランスは自分に最も厳しい自転車選手だと書きましたが、これが原因なのでしょう。

やはり最後ランスアームストロングのキーワードは「ツールドフランス7連覇」と「癌」なのです。



実はこの回を書いている途中文章全部弟に消されてしまいました。これも運が悪いといえばそうですがメモ帳などに書いてから移すなどリスク回避の対さくをすればなんとかなったかもしれません。でも「そこまですることないだろうと思っていました。」ランスはそんなレベルのことにも気を使っていたのでしょう。

「ランスアームストロングがなぜ強かったのか」
1週間書きましたが読んでくれた方ありがとうございます。
いかがでしたか?
例えばフォームとか練習法とかまだまだ書きたいことはたくさんあるのですがそれはまた時がくれば・・・
別の研究内容のときに登場することもあるかもしれません。
明日からはまた別の内容で。
「チャリンコ研究所」こんな感じで続けていきたいと思います。