「毎分20回!?」

この回数どこで聞いたか忘れてしまったのですが、ランスの平常時心拍数です。ちょっとありえない数字ですよね。ちなみに一般男性で60〜70くらいだったかな?

これがなにをいみしているか。つまりランスの心臓は一回の「ドックン」で私たちの3倍の血液を流すことができるということ、ではありません。だってパッと見ランスの心臓の容積が3倍もあるようには見えません。心臓が強くても流れる量はそんなに違いませんよ。3倍血が流れると思ってる人結構いるんじゃないかな〜

でもそれじゃあ常に心臓停止直前ですぐに死んじゃいそうですよね。でもそこがランスのすごいところ。つまり肺から酸素を吸収し血液によって体の隅々までいきわたらせそれをその酸素を体が使う能力が3倍なのです。
わかりにくですね。結局人間の体って普通には空気中の酸素のほんのちょっとしか吸収して使うことができないんです。ランスが毎分20回の心拍数で大丈夫なのはまず、1、肺がより多くの酸素を吸収する 2、血液がより多くの酸素を運ぶ 3、心臓がよりたくさんの血液を運ぶ 4、より細かい毛細血管が隅々まで血液をいきわたらせる 5、細胞がよりたくさんの酸素を吸収し使う・・・
この最終段階で体が使うことのできる酸素の量が3倍になってるわけです。

昨日書きましたがランスがすごいところは本来効率が悪いはずの外のほうの筋肉も効率がいいといいました。今上に書いたことがこたえです。

つまり他の選手は筋肉量が多いと十分に酸素やエネルギーがいきわたらないのに、ランスは他の選手にはない超効率的な循環器系を得たことで燃料をマッチョな体の隅々までいきわたらせることができ、結果として筋肉の持つポテンシャルをより引き出しているのです。

明日はあのペダリングについて書きましょう。また明日あさってにはウルリヒさんにもたくさん出演していただきます。

「ONIX的、限界順位論」