「男ならアウタートップ」

ゴールスプリント時のギヤ比って難しいですよね。ロードレースの場合勾配があったり風があったり、スプリント直前の集団のスピードもいろいろです。この話はちょろっとウエイトのときにも話しましたね。
基準となる考え方はゴールラインをきる瞬間トップスピードになる。ギヤ比を選ぶようにしています。となると平坦の場合よほど直前にコーナーがあったりしたとき以外は私はアウタートップです。
競輪選手の一般的なギヤ比は3.57だそうです。ロード選手がよく使うギヤに換算すると53×15Tとなります。案外軽いですよね。ただしそれで時速70キロ出るのですからケイデンスは156回転ということになります。これは短距離かつそれ専用の練習をつんでいるからできること。またシングルギヤという制約ともいえるでしょう。
とはいえ実は1年半前はこれくらいのギヤ比でスプリントしてました。するとコーナーの立ち上がりなどからすばやく55キロくらいまでは上がるんです。でもそこから伸びないし、その回転数をダンシングで維持できず失速、結局何人かに抜かれてしまいました。この速度でこのギヤ比だとケイデンスは122回転。一瞬出すだけならたいしたことないですが何十キロ走った後にダンシングでこの回転数を十数秒維持するのは結構大変です。さらにスピードを上げようものなら・・・
そもそも競輪選手もしかり回転数でスプリントをするのはシッティングなんですよね。
ちょっと違う方面からせめて見ましょう。省エネで走るにはよく回転で、といわれますよね。これなぜかといえば有酸素運動の場合というか有酸素運動で走るためには1ペダリングごとの付加を小さくし、負担は究極の筋肉を持つ心臓に任せるほうがよいからです。対して全開でもがく場合ギヤが軽かろうが重かろうが動かす速さが違うだけで筋肉は最大出力を出す。すなわち高い無酸素運動割合で動かすわけです。重いギヤなら踏み切るために、軽いギヤなら速く回すために。ということは一踏み一踏みの脚へのダメージはそれほど変わらないのではないか?ということは踏む回数、すなわちケイデンスは少ない重いギヤ比ほうが持続するはずである。となるわけです。
トップスピードはどうでしょう。ヨーロッパのトッププロのレースではロードでもバンク並みに70キロ出るそうです。私も下り基調のゴールスプリントで69キロまで出したことがあります。とはいえ日本のBR2,3クラスであれば平地で60キロ出せれば十分勝てるレベルだと思います(つーかかたぶんブッチギリです)。すると52×12Tで110回転。ちょうどいいぐあいだとおもいます。
結局のところギヤの決め方はこうです。ゴールラインで出したいトップスピードにあわせたギヤ比にゴール手前の状況を考慮する。ゴールがのぼりなら52×17のケイデンス105回転40キロみたいに
なのでゴール前の試走は入念にやりますよ。