「私の学科「先端マテリアル工学科」」

さてさてペダリングシリーズが一段楽したところで今日からは機材の話。特に私の専門としているマテリアルから見た自転車というものを書きたいと思います。
私は元来、工業製品の性能の向上はそのほとんどをマテリアルつまり材料が担っていると考えています。自転車にたとえるなら 木<鋼<クロムモリブデン鋼<アルミ合金<グラファイト(カーボン)などマテリアルが変わることでその性格は大きく異なるものとなりそのほとんどはより高性能へと進化しているのです。またそれぞれの性格の違う材料を使い分けることでより個人のニーズにあったものを作ることができるのです。フェルト社のFシリ−ズは好例で同じ金型でフレームは3グレードほどを用意し材料の使い分けによって差別化しています。
どんなすばらしい設計をしたり技術を開発してもそれを製品にするための材料がなければ始まりません。去年話題になったハイドロフォーミング技術はかなり前にアンカーがクロモリで実用化しています。しかしアルミではできなかった。デダチャイやコロンバスは塑性変形しにくいアルミでその技術を確立しました。これは両社が引き伸ばしても破壊しにくいアルミマテリアルを開発したことが大きいといえるでしょう。