「どうして人はもがくのか」

まずレースにおいてスプリントが必要な場面を想定してみましょう。
集団でのゴールシーンに必要なのは当然です。しかし実は逃げが決まるような展開でこそ重要になってきます。もちろん山岳コースの山頂ゴールなんかであれば重要度は少なくなりますが…。
勝負に絡むためには敵のアシストをしないことは大前提です。もちろん消極的に走れと言う意味ではないですし、前を引くなと言っているわけではありません。先頭に出て後ろにぴったり着かれた状態で全力を出すのは自分のためにならないと言うことです。
そこでです。もしアタックしたにもかかわらず集団を離せず簡単に着いてこられてしまっては下も子もありません。いっきの加速でまず自分のスリップに入られないだけの距離を稼がなくてはなりません。
次に誰かがアタックして決定的であればそれに反応してついていかなければなりません。自分にも逃げる意思があるのであれば上と同じく集団をつれてくるわけに行きません。それに一度あけれらたさをすぐに前のスリップに入るためにできるだけ短時間でつめなくてはなりません。
もし勝負とはほどとおくとにかく完走が目的の場合であっても、集団前方では上記のようなことが起こっていて絶えず減加速を繰り返しています。集団から切れないように無駄に足を使わないように余裕を持って対応するため、スプリント力は必要です。
これでレースのどのポジションを走っていてもある程度のスプリント力が必須であることがわかります。若干論点がずれるかもしれませんが余裕を持って減加速に対応できるようになるために加速力をつける練習をすることは高い効果が得られると思います。

番外編的にヒルクライムレースではどうか?
さまざまな形式があるので一概には言えませんがマスドスタートやとにかくある程度の人数が同時にスタートする形式の場合、順位争いをするうえで必要となってくるでしょう。有名な筧五郎選手なんかは純粋なヒルクライマーと思われがちですが普段平地で練習しているだけあってヒルクライムが得意な選手の中では屈指のスプリント力の持ち主です。