「マイヨジョーヌ2」

ツールドフランスは普通に始まってしまいましたね。ドーピング事件についてもたくさんの有力選手がいなくなったにもかかわらず、フランスで応援している方たちは案外普通なようです。98年のフェスティナ事件を経験している人たちにとっては自分の応援している選手でも疑いがかけられればきっぱりと除外すべきだと思っている人のほうが多いようです。案外日本人のほうがへこんでるかも。
もう始まってしまいましたから、それらも踏まえ予想の続きをしましょう。ここまでのステージで総合で絡んでくる選手を評価できるのはプロローグです。ここでは純粋な調子やTTでの走りを評価できるでしょう。距離は7キロちょっとと短いですが、不調で踏めないと簡単に数十秒の差はついてしまいます。このプロローグ。優勝は「マイヨヴェール」で挙げたハスホフトでした。それも意外だったんですがプロローグハンターと呼ばれるスペシャリストやクロノマンなどが活躍すると思いきや総合狙いの選手がかなり上位に入ってきました。2位のヒンカピーや遅刻で遅れたもののそのタイムを差し引けば3位だったランディス、そしてTTは苦手と思っていたバルベルデが5位でゴール。(クロノマン ザブリスキー、ラング、ロジャースなんかは上位で入ってるんですが)ここまではタイム差10秒以内です。
これらから見てやはり総合狙いの選手は調子が上がっているのがわかります。そのほかの選手のプロローグでのタイム差は エヴァンスとクレーデンが14秒と17秒、ライプハイマーシモーニ、サストレあたりが20秒台、クライマーとはいえクネゴの41秒差はちょっと今後に響きそうです。
プロローグからまずバルベルデがTTを克服してきたという印象。ただ長距離ではどうかわかりませんが。もしTTの力が本物なら山岳での力はほぼ最強でしょうから最有力候補です。しかし調子は山岳、TT と非常にバランスの取れたヒンカピーランディスアメリカ勢が絶好調といった感じ。シモーニやサストレのクライマー勢は25秒26秒差と踏ん張ったといえばそうですが、今後合計100キロ以上のTTがあることを考えると登り系の選手とはいえ少し厳しいか。単純計算すれば8分以上の差がつくことになりますから。
プロローグや序盤のステージを見た限り、やはり総合の主導権はバルベルデヒンカピーあたりが握りそうです。バルベルデは山岳でヒンカピーはTTでそれそれどれだけの差をつけられるかでしょう。また逆に劣るほうで我慢できるか。そこにランディスクレーデンエヴァンスあたりがどう絡んでくるか。山になればクライマーの活躍にも期待しますがクネゴはジロの疲れか調子は悪そう。同じくジロで全力を出してきたシモーニ、サストレはどこまで回復しているか。
優勝経験者が誰一人もいない、今年のツールドフランス。やはり楽しみなのは変わらないでしょう。
f
左上から バルベルデクレーデンクネゴランディスエヴァンス、メンショフヒンカピー、サストレ、ライプハイマー