「マイヨヴェール」

まずはこのタイトルを狙うであろう選手を紹介します。
星5 トム ボーネン、ロビー マキュアン
星4 エリック ツァベル、トル ハスホフト
星3 オスカル フレイレ、スチュワート オグレディ
大体誰が予想してもこれに近い感じになるのではないでしょうか。では次にこれらの選手の能力を比較します。
1、 スプリント力:1ボーネン 2マキュアン 3フレイレ 4ツァベル 5ハスホフト 6オグレディ
今回前半のステージは今年のジロのように極端なテクニカルコースということはなく純粋なスプリンターが狙いやすくなっています。つまり最も配点の高い平坦ステージの順位はこのスプリント力の順になることが予想できます。その点ボーネンマキュアン有利と見ることができます。

次に意外と重要になる中間スプリントです。
2、 中間スプリント:1マキュアン 2ツァベル 3ボーネン 4ハスホフト 5オグレディ 6フレイレ
平坦ステージでは1〜3の中間スプリントポイントが設定されます。配点は低いですがこまめにとっていくことも大切です。ここでは一日で何度もスプリントをかけるので回復力インターバル能力が要求されます。また少人数でのスプリントが多くなるためトップスピードの速さより加速力が求められるでしょう。

スプリントに劣る選手が高得点を取るためにチャレンジしなければならないのが少人数での逃げです。エスケープグループに乗ることで中間スプリントをほとんどとることができる上、もし逃げ切ることができれば1位は確実。なぜなら逃げを専門とする選手はスプリントでは劣るから。
3、 逃げ:1オグレディ 2フレイレ 3ハスホフト 4ボーネン 5ツァベル 6マキュアン
フレイレオグレディは逃げも強力。過去にいろいろなレースで逃げ集団からのスプリントや時に逃げ切っての勝利もあります。

マイヨヴェールを着てゴールするためにはもちろんアルプスやピレネーを越えてシャンゼリゼにゴールしなくてはなりません。また山岳の途中の平坦ステージや中間賞、シャンゼリゼでゴール勝負するためにはできるだけのぼりでダメージを少なく走ることが重要です。
4、 登坂力:1、フレイレ 2オグレディ 3ツァベル 4ボーネン 5ハスホフト 6マキュアン
逃げで評価の高いフレイレオグレディはある程度登りがあるコースのほうが有利でしょう。中級山岳クラスでゴール勝負になれば絡んでくることも予想できます。ツァベルも登りが登れるスプリンターとして有名ですし攻撃は仕掛けないでしょうがボーネンは案外登れます。またマキュアン友の会グルペット(山岳が苦手なアシストやスプリンターが次のステージのためにタイムアウトぎりぎりのゆっくりペースで休んで走っている集団のこと。ただしいっぱいいっぱいで必死の選手も結構居る)マキュアンはいつもそのリーダーとなっている)のなかで最も余裕があるのは会長のマキュアンです。ハスホフトは過去超級山岳で逃げたこともあり、スプリンターとはいえ登坂力はそれほど差がないかもしれません。

最後はチーム力です。逃げ集団を捕まえたり、ゴール前で列車を作ったり、アシストを逃げさせて相手に中間ポイントを取らせない戦略もあるなど、チーム力はかなり重要になってきます。
5、 チーム力(カッコ内チーム名):1ボーネンクイックステップ・イネリゲティック)2ツァベル(チームミルラム)3マキュアン(ダビタモン・ロト)4フレイレラボバンク)5ハスホフトクレディアグリコル)6オグレディ(チームCSC
これは純粋なチーム力ではありません。つまりチームとしてマイヨヴェールを狙っているクイックステップミルラム、ダビタモン。逆にCSCは個人総合を最優先しますし、ラボバンクは山岳賞を狙っています。平坦ステージの後半は必ずクイックステップミルラム、ダビタモンが集団をコントロールしに来るはずです。どのチームが主導権を握るかも注目です。

これらを総合するとやはり最有力はクイックステップの世界チャンピオン、トム・ボーネンでしょう。

左からマキュアンオグレディボーネンハスホフトフレイレツァベル