「クランクの回転速度の関係」

なぜこのような形のギヤが生まれたかといいますと、理由はいろいろあるんですが私が注目している回転の視点から見ますと、下死点と上死点の通過時間をできるだけ短くしたいという狙いがあることがわかります。元来自転車のクランクに有効に力が加わる場所はせいぜい1時50分から4時10分くらいなモンです。ではそれ以外の部分を回っている時間は無駄なわけです。ですからギヤを特異な形にして有効な3時前後の通過時間を長く、無駄な12時や6時の通過時間を短くしようというコンセプトなのです。
歯数構成は図1のように4分割するとだいたい12枚と14枚の区間があります。つまり全体の歯数は52Tですが、56Tと48Tの区間に分けることができます。(もっと厳密に計ってみましたがかなりはっきりと56T、48Tに分かれました。)
では実際どのくらいスピードに変化が見られるかといいますと
700×23C  時速40キロで走った場合
表1
フロント リア ケイデンス(rmp) 1/4回転にかかった時間(秒)
52T 19T 121rmp 0.124s
56T 19T 112.4rmp 0.134s
48T 19T 131.1 rmp 0.114s

52T 14T 89.2rmp 0.168s
56T 14T 82.8rmp 0.181s
48T 14T 96.6rmp 0.155s

このような違いが見られます。
いかがでしょう? この違いがどのように影響するかはまた明日。

図1