「10倍って!!!」

では検証していきましょう。
まずは快適性です。これはちょっと信憑性が微妙ですね。というのはやはり基本はアルミです。ごうきんの配合を変えれば多少改善されるかもしれませんが、そのベースにもスターシップ同様の6000番あたりのアルミ合金が使われています。何が違うかといえばおそらく熱処理の仕方が違うのだと思います。しかしそれによって快適性20%UPはちょっとありえないんじゃないかな〜と思ったり。計測方法もわかりません。まぁチューブの形を変えることである程度改善することができますから十分な快適性は持たせてはあるのでしょう。
次は剛性、軽量性、耐久性です。何でまとまってるかといえばこれら密接につながっているからです。剛性と耐久性が上がれば軽量性は自然と上がってきます。つまり丈夫で固く作れればそれだけ材料の量を減らすことができ結果軽くできるわけです。つまり剛性と軽量性は相関にあるのでこれもなんともいえないですね。ただ両方の数値が上がっているということは剛性は明らかに上がっているでしょう。
問題は耐久性です。皆さんもそして私もこの10倍というのがほんとかどうかは一番気になります。何せスターシップのネックは「耐久性のなさ」でしたから。で、10倍がほんとかどうかというと、たぶん半分ほんとで半分うそだと思います。というのが自転車のフレームを耐久性という概念から評価する方法が主に2種類あり、たぶん両立はしていないだろうという推測からです。
まず1つ目が実際に破壊が起こるまでの耐久性です。サイクリングタイムのピナレロやデローザの広告で衝撃試験をしている映像を見たことがあるかもしれません。フォークとリアエンドを固定しBBを左右に動かしたりフォークを前後に動かして、フレームがグニャグニャたわむような力を何万回とかけて壊れるまで試験をする装置が大きなメーカーにはあります。まずはこの試験機にかけて負荷をかけられた回数がスターシップに比べ10倍だったということです。多分このことを言ってるんじゃないかと思います。
もう一つはこれがやはりわたしたちにとってはより重要な耐久性です。というのはつまり性能が維持される耐久性です。剛性が購入時の95%を下回ってしまえばレースフレームとしてはもうだめです。フレームはペダリングやその他の疲労で劣化していきます。また金属フレーム、特に軽量アルミフレームは合金の配合や熱処理の特性上何もしなくても少しずつ劣化していってしまいます。性能の変化の割合の遅さがスターシップに比べ10倍であると考えることもできます。
どちらが本当かはオルベアしか知りません。
それでも現在存在するアルミフレームでは最も高く評価しています。もし宝くじなど当たればこれで山岳スペシャルを作ってみたいものです。