「下りは滑る」

まずは傾斜のあるところは実はグリップが低いということから。下りも登りもなんですがやはり大事なのは下りのほうでしょう。
手書きを写真で載せるという非常に低レベルな図なのですが、製図ソフトやスキャナーなど使うより手っ取り早かったということで。
図は丸いのはホイール、斜めの黒い線が坂の傾斜です。各矢印はタイヤと地面との接点にかかる重力による力を示しています。
グリップとは地面とタイヤそれぞれの材質と相性によって決まる「静止摩擦係数(μ)」と地面に垂直にかかる力「垂直抗力(a)」によって求めることかできます。
平坦であれば重力(g)がそのまま垂直抗力になるのでグリップは最大限発揮されます。
しかし傾斜のあるところでは違います。
かかっている力が重力だけだとします。この重力を運動方向と垂直方向に分解します。
図にある赤い線が重力(g)緑の線が垂直抗力(a)青い線が進行方向が右側なら下りの推進力、左なら登りの抵抗です。
グリップ(静止摩擦力)は垂直抗力(a)×静止摩擦係数(μ)です。平坦では「g=a」ですが傾斜があると「g>a」となりますから、グリップも「μg>μa」となります。つまり平坦に比べ傾斜のあるところでは滑りやすくなるのです。ちなみに砂が浮いていたり氷が張っていたりするとμの数値のほうが下がってしまうので同じくグリップしなくなります。
平坦で40キロで曲がれても下りでは滑ってしまうのですからくれぐれもスピードの出しすぎには注意しましょう。