「良いフォームは努力して作るべし」

前傾したフォームをとることが速くなるために重要であることは今週の初めに書きました。
突然ですがとあるレース会場でのエピソードを書きます。
それはロードバイクでも参加できるバンクを使ったレースでのことです。バンクでのレースは例えロードであってもハンドルのドロップの下を持たなければならないというのが一般的です。この時ある女性の選手がバンク体験ということで500mTTに参加しようとしていました。しかしスタート位置についたとき係員の人に「ハンドルの下を持ってください」と言われたのですが本人は「下ハンなんて持ったことないよ〜」言っています。しぶしぶ下ハンをもってスタートしたのですがバンクの傾斜の恐怖か不慣れな下ハングリップへの恐怖かですぐブラッケットに持ち替えてしまい、何度も係員に「ハンドル下を持ってください」と拡声機で言われていました。
男性でも「ロードバイク始めたけど握るのはほとんどブラケットと上ハンだけ」という方それなりにいると思います。しかし例えレースに出なくても向かい風であったりとか下り坂やコーナーでは下ハンを持ったほうが重心が下がり安定しますしブレーキもかけやすくなります。カテゴリ−が低くともレースに出る方なら当然速く走るためそれなりの前傾姿勢は取れなくてはなりません。しかし上の話のようにいざ下ハンを握らなくてはならない場面がきても、普段からほとんど使っていなければ実践で使えるわけがありません。
つまり言いたいのは良いフォームとはある程度努力して作られるものだということです。上体の前傾についても今週いろいろと対策を書いてきましたが、練習し慣れることでもっときつい前傾でも楽に走れるようになります。
ヨーロッパのトップ選手にダヴィデ・レベッリンという選手がいますがどこかで読んだ本によると例えLSDレベルの練習であっても前傾になれるため下ハンを握って走っているとかかれていました。また写真を見てわかったかもしれませんが私のバイクにはDHバーがついています。これもきつい前傾姿勢で走るための練習法でもあります。
もし同じストレスの中走れるのであれば前傾はきついに越したことはありません。ブラケットしか握らない人ならきつい前傾姿勢になれるだけで脚を鍛えるより楽にある程度速く走れるようになるかもしれません。