「最終評価」

最終評価に入りましょう。今日までの6日間考えてきたことをふまえ個別の要求も考慮していきます。
それでは例の3人がどのように考え自分にベストマッチしたフレーム選択したのか見ていきましょう。
っとその前に。最初にも言ったとおりそれぞれ予算には制限があります。たとえばスコットCR1チームイシューなど買ってしまうとほとんどの性能がそろってしまいます。私、Aさん、Bさん、それぞれ予算はフレーム単体の定価20万前後とします。この辺の価格帯がなかなか迷いやすいので…

         私   A   B
1・剛性     1   4   2
2・振動減衰特性 4   1   3
3・重量     3   3   1
4・耐久性    2   2   4

まず私はこれまでの条件を考えると材料はカーボンでチューブの太い高剛性タイプ。多少重くてもいいので肉厚に作ってあるほうがよい。すると次のバイクが見えてきます。スペシャライズド「ターマックカーボン」フォンドリエスト「ドミノカーボン」エミネンザ「デルタ」オルベア「オニキス」…このうちブランドを考えるとエミネンザが外れます。次にターマックは周りにターマックに乗ってる人がたくさんいるというしょうもない理由で却下。最後にドミノカーボンとオニキスは好みでオニキスに軍配が上がりました。

Aさんは全体で見ると上がっていた材料と形状はほとんどクロモリかチタン、細身のチューブでした。しかし各社ブランド物のチタンはかなり値が張り、なかなか20万では見当たりません。ということでクロモリに絞ります。するといろいろ見えてきますしオーダーするというのもいい案です。クロモリで有名なのはトマジーニやスカピンなど、またロードでは聞きなれないかもしれませんがジェイミスはレイノルズのスチールチューブを最高に料理してくれます。こんかいAさんは細身のクロモリでありながらあまりクラッシックな感じにはしたくないと言うことで、ジェイミスのレイノルズ853スチールチューブとカーボンのハイブリットで最高ののりごこちを演出している『エクリプス』にしたようです。

最後にBさんです。Bさんはけしてお金がないわけじゃないんですがコンポにレコード、ホイールにジップ202、シートとブレーキにAXライトネスなどこだわりすぎてさすがに50〜60万するものは買えないみたいです。ほんとはライトスピード「ギザロ」770グラムのフレームがほしかったみたいですが…というわけで20万で軽いフレームを考えるとインターマックス「Xライト」アンカー「RFX8」インターマックスU2オルベア「アリン」…ここでAさん長年のこだわりからどうしてもオーダーしたいようなので金属の「U2」「アリン」に絞られます。軽さはほぼ同等で900グラム前半。ではそのほかの要素でどちらがいいかというとやはり最新型の「アリン」が勝っているでしょう。また「アリン」はエウスカルテルのほとんどの選手が山岳で使います。これはもう信頼性ばっちりですね。最高の山岳バイクで富士山に挑めそうです。

こんな感じでまとまりました。もちろんこれはひとつの例です。わたしやAさんBさんと似たタイプの人でもそれぞれ実際は違う選択になるでしょう。自転車のフレームはかなり高価なものです。やはり失敗したくありません。ここまで難しく考えることもないかもしれませんが、悩むことも楽しんでみてください。これを読んでくれた方が最良の一台に出会えることを願っています。それでは…