「ORBEA「ORCA」」

これは驚きましたよ。想像していた乗り味とぜんぜん違うんです。想像していたのは旧ORCAのようにコンフォート指向でした。いや、もちろん十分に振動吸収性とかそういう意味ではやさしさはあるんでしょう。そのうえあのルックスです。剛性がたかそうといえば高そうなんですが、エンジニアが計算して作ったと言うよりはデザイナーがスケッチに起こしたのをそのまま形にした。って感じでレースで使うのはステージレース的場面。カチカチ派の自分にはあわないだろうと思ってたんです。
しかしその想像の中のORCAはことごとく崩れ去りました。「バリバリのレーシングバイク」「これのってたらあのレース勝てたかも」とまで思ってしまうくらいでした。
そんなイメージだけじゃわからんって?
ではどこにそんなに感動したかと言いますと、加速力なんです。でも普通に考えてフレームが加速力を捻出してるわけではありません。人間です。つまり自分の加えた踏力の加速力に使われていると感じる割合が非常に高い。しかしなぜか剛性が高いだけではない。横剛性の高さで言えば昨日のTIMEを含める3つほどに比べればやはり次点なんです。でもエネルギーの変換率と言うことを考えるとTIMEにも勝るとも劣らないと感じるほど。アウタートップゼロスタートもやってみたんですが回転のあがるっピッチが早く感じるほど加速がイイ。またストレートフォークの急制動については不安定になりそうな気がしてあまりいいイメージを持っていなかったんです。が、安定してました。まっすぐグンと止まってくれました。ORBEA特有の低めのBBハイトのおかげで重心が下がりゴールスプリントを想定した全開もがきでも目線もバイクも体も安定してる。これを統合すると下りもすこぶるよさそうな気がします。加速がイイということは登りは加速の連続みたいなモンですからイイに決まってます。
と考えるとこのバイクには現時点で弱点がない。
無理やり上げるとすれば性能面だけを見てアルミパーツがゴツすぎるおかげでせっかくの超軽量が若干損なわれてしまっている点。しかしこのバイクのアルミパーツを普通な感じに変えてしまえばただ性能がイイだけのバイクになってしまう。それだけじゃやはり趣味の世界では成り立ちません。
このバイクの最大の魅力は「カッコよさ」なのですから。